究極の痩せ菌は海外にある?世界のバイオ研究と個人輸入の落とし穴

海外輸入サプリの3つの壁 乳酸菌&サプリ

海外の痩せ菌フロンティア!世界の注目菌3選

前作ではスーパーで手軽に買える国内のスター菌たちを巡ってきましたが、一歩海の向こうへ目を向けると、世界のバイオビジネスと腸内細菌研究はさらに激しく、ロマンに満ちた進化を遂げています。

「そんなのアリ!?」とツッコミを入れたくなるような実験データから、倒産劇を乗り越えた執念の復活劇まで。世界のフロンティアでしのぎを削る、個性豊かな海外勢の「痩せ菌」たちを紹介します。

代表的な3つの菌株・研究のリアルなメカニズムと、そのドラマを見ていきましょう。

① 韓国発・アジアを席巻した、母乳由来のガセリ菌「BNR17」

まず筆頭に挙がるのが、韓国のバイオ企業(AceBiome)が開発し、ダイエット市場でメガヒットを記録した ガセリ菌 BNR17株(Lactobacillus gasseri BNR17) です。
「ビエナルシン(비에날씬)」シリーズで展開されています。

面白いのは、その作戦。
日本のガセリ菌LG2055が「油」の吸収にちょっかいを出すのに対して、BNR17は「糖」がターゲット。

食事から入ってきた単糖類(グルコースなど)を菌自らが取り込み、消化・吸収されにくい「難消化性の多糖類」へと作り変え、そのまま体の外へ出してしまう――
メーカー表示や特許では、そんな「糖の吸収阻害」の仕組みが説明されています。
(ただし、根拠は主に動物実験です:出典)

ヒトでは、12週間の試験で内臓脂肪とウエスト周囲径の減少が報告されています(出典)。

母雀
母雀

欧米のマイナーサプリはハードルが高すぎるけれど……
韓国のBNR17なら、週末にソウルへ弾丸旅行して、明洞のオリーブヤングや現地の大型薬局でササッと買ってくれば、ワンチャンあるんじゃない!?
今なら旅行者もいっぱい行ってるし!

父雀
父雀

保冷バッグを抱えて飛行機で持ち帰るなら、船便よりは菌に優しいだろうな。
だが母雀よ…、
現地でサムギョプサルとタッカルビをたらふく平らげ、屋台でホットクをつまんで帰ってきたら、菌が頑張る分の何十倍ものカロリーを現地でチャージしてくることになるが、その収支は合っているのかね?

弟雀
弟雀

絶対カフェ巡りと屋台で、カロリー大爆発させて帰ってくるやつじゃん!

たくさん買い込んで、
税関のカウンターで笑顔で『これ、友達の分です♪』って言った瞬間、税関職員の目がキラーンって光るやつだよそれ!!

商用扱いだと思われたら、そのまま持ち帰れないからね。
適量が無難だよ。

② ビフィズス菌 CECT 8145 / BPL1(スペイン)|「死んだ菌」で名を馳せた、バレンシア生まれの異端児

「乳酸菌は生きて腸まで届いてこそ」という常識に、真っ向から挑んだのがスペイン・バレンシア生まれのビフィズス菌BPL1株(Bifidobacterium animalis subsp. lactis CECT 8145)。
現在は米国の食品原料大手ADMの傘下で、生菌の「BPL1」だけでなく、加熱処理した「HT-BPL1」も世界中の食品メーカーに供給しています。

この菌、生きた状態でも腹部肥満の人の内臓脂肪を減らす結果を出していますが、面白いのはここから。
加熱して殺した菌でも同じように内臓脂肪の減少が報告されていて、しかも数値上では生きた菌より良い結果だった、というのです(出典)。

死んでいるから熱に強く、保存もラク。
食品メーカーにとっては、扱いやすい夢の原料というわけです。

……と思いきや、続編がありました。

同じ研究グループが、加熱したBPL1に、オメガ3とイヌリンまで加えた「(カニカマのような)すり身スティック」を作り、120人に12週間食べてもらったところ――
内臓脂肪も皮下脂肪も、なぜか有意な減少が見られなかった。(出典)。

インスリンの効きやすさなど、別の指標には良い変化が出たものの、肝心の脂肪は沈黙。
研究者たちは、「他の成分と組み合わせると、脂肪への効果が弱まるのかもしれない」と考察しているようです。

弟雀
弟雀

単体だと効いたのに、豪華メンバーで組んだら黙った?
母雀がダイエットの時、
あれもこれもってよくばって色んなサプリを飲んでるけど、
大丈夫なの?

父雀
父雀

良かれと思って足したものが、足を引っ張ることもある。
ただし、なぜそうなったのかは、まだ誰にも分かっていない。
ここが腸の世界の奥深いところだな。

③ 日本発・仏倒産劇から米再起を遂げた「クリステンセネラ・ミヌタ」

最後は、バイオ業界の激しい浮沈を象徴する伝説の痩せ菌、クリステンセネラ・ミヌタ(Christensenella minuta) です。

始まりは日本。
ヤクルト中央研究所の研究者たちが、日本人の便から見つけて、新しい種として報告しました。

世界がざわついた。
その後、米コーネル大学などの研究で、この仲間の菌は「痩せている人に多い」ことが分かり、さらに無菌マウスに与えると体重の増え方が抑えられた、と報告されて、「究極の痩せ菌か?」と注目の的に。

ところが、扱いが超難しい。
酸素に触れると生きていけない菌なので、大量に育てるのも、生きたまま製品にするのも至難の業。
この難敵を手なずけ、肥満やメタボの「治療薬」にしようと立ち上がったのがフランスの創薬バイオ「YSOPIA」でしたが、会社は志半ばで経営破綻(倒産)へ。

でも、この菌の持つポテンシャルは死んではいませんでした。
アメリカの企業「Verb Biotics」社が菌株と知的財産を買い取り、今度は医薬品だけでなく「サプリメント向け原料」としての商業化ルートを開拓。
「Christensenella minuta LX03™」 という名で展開され、更なる実用化に向けて快進撃を続けています。

父雀
父雀

クリステンセネラのように『研究室レベルで凄まじい効果が確認された菌』であっても、工業的に大量培養して、生きたまま製品として安定供給し、臨床試験を通すハードルは天文学的に高い。

数多のバイオベンチャーが夢を見ては散っていく姿を見ていると、スーパーの棚に当たり前のように並んでいる日本の乳酸菌やビフィズス菌が、とんでもない企業努力の結晶であるかがよく分かるよ。

母雀
母雀

菌は生き残ったけど、会社は生き残れなかったのね。
でも、夢は引き継がれた――
日本人のお腹から生まれた小さな菌が、いつか「次世代の痩せ菌」として、アメリカンドリームを掴んで里帰りする日が来るかもしれないわね。

海外の痩せ菌、個人で輸入できる?海外通販の3つの壁

「よし、海外通販でポチってみよう!」と思った方、ちょっとお待ちを。
そこには3つの壁があります。

壁① 赤道直下のサウナ便

生きた菌は熱に弱いもの。
保冷されない普通の船便や倉庫で、真夏の高温にさらされたら、届く頃には菌がお亡くなりになっている可能性も。

弟雀
弟雀

じゃあBPL1みたいな死菌なら、
もう死んでるからこれ以上死ねないでしょ。
赤道直下のコンテナ船で
どれだけ蒸し風呂にされても平気じゃない!

父雀
父雀

鋭いな。
菌は平気でも、カプセルや他の成分が熱や湿気で傷むリスクは残るぞ。

個人輸入は自己責任だから、リスクを冒してまで飲む必要があるかどうか…。

壁② 英語の海で溺れる

母雀
母雀

世界中のサプリが集まる巨大通販サイト『iHerb』で、クリステンセネラ配合の『GutRx Balance』を探してみたのよ。

でも残念ながら公式サイト限定で、iHerbには売ってなかったの。

じゃあ代わりの痩せ菌を……と検索窓に入れたら、今度は英語の商品がずらーっと出てきて、どれが大手でどれが怪しいブランドなのかさっぱり分からない!

結局、画面を見ながらAIに『ねえ、これどこのメーカー!?』って1個ずつ質問攻めにする羽目になったわ。

父雀
父雀

「LX03™」も「BPL1」も、もともとメーカー向けに卸される『原料』。
一般向けのサプリは、どのブランドが、どれだけの量を入れているのか、自分で確かめないと分からない。
外国語のラベルを読み解いて、配合量を確かめて、安全性も確かめて、日本に送れるかも確認して……そこまでやる覚悟がないなら、国内の届出品を選ぶ方がずっと楽だぞ。

それに、海外のサプリには、日本では医薬品として扱われる成分が入っていることもあるからな。
ルールから外れれば、輸入規制に引っかかる。
海外サイトでの決済完了は、日本への入国許可証じゃないってことだ。

壁③ 出てくるのは「自称・独占契約」ばかり

母雀
母雀

iHerbにないなら、
ネットで見かける『国内の正規代理店』とか個人輸入代行で買えばよくない?
たまに検索で引っかかるわよ?

父雀
父雀

『正規代理店』を名乗る謎の販売業者には十分気をつけろよ。

個人輸入代行のすべてが怪しいとは言わないが、
成分や管理状態も不透明な海外サプリを、業者の言い値で買うのは慎重になるべきだと思うぞ。

結局、どうすればいい?

海外の痩せ菌たちは、ロマンもドラマもたっぷり。でも、手に入れるまでのハードルは高く、効くかどうかも条件次第。
一方、日本には、研究どおりの量を届け出た商品が、スーパーやネットで手軽に手に入ります。

ロマンは海外に、実践は国内で。
日本で買える「痩せる菌」たちの詳しい話は、こちらの記事でどうぞ👇

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