【実録・PCハッキング体験談③】Amazonへの侵入者は有名漫画家?勝手に「店主」にされた話

ハッカーにより、知らぬ間にAmazonのセラー登録をされていた図 PCトラブル

🐤初めての方へ
本シリーズは全7話の実録連載です。事件の発端(第1話)はこちらからどうぞ!

Amazon への侵入者は、著名人?!

複数のアカウントに異変が起きていると分かった時、私は真っ先に Amazon を確認した。
Prime 会員の為、配送は翌日。
クレジットカードも登録済み。
しかも、高額商品も扱っている。

確認しない理由はない。
恐る恐るログインしてみたものの、普通にログインできたし、目立った不審な購入も見つからなかった。
配送先も変更された形跡はない。

念のためにパスワードとクレジットカード情報を変更し、他の乗っ取り対応にあたっていた。

数日ほど経過した後、異変がないか確認しに戻ったところ、
下段にある「設定者」という欄に、見たことのある名前が目に飛び込んできた。

なんと、毎週欠かさず見ている大人気アニメの原作者の名前だったのだ。
以前、主人公の「フリー〇〇」のフィギュアが欲しいと思って、しげしげと眺めていたからなのか、犯人がファンなのかは分からないが、少なくとも家族は関与していなかった。
正直、「設定者」という表示があることすら、知らなかった。
Amazon のソーシャル機能(フォローやプロフィール機能)で使われる独自の設定項目らしい。

不正アクセスを疑い、すぐに Amazon のカスタマーサービスへ連絡した。
事情を説明すると、Amazon 側から返ってきたのは、驚きの回答だった。

「不正アクセスを確認しています。」

カスタマーサービスからは、アカウントを速やかに閉鎖する方向で案内された。
その判断に異論はない、当然だろう。

Amazon Prime は年額会員だったので、有効期限はまだ半年以上残っている。
……悔しいが、問題はそこじゃない。
分かっていたなら、何故知らせてくれないのか?!

<strong>GPT</strong>
GPT

不正アクセスを確認していても、運営側がすぐ利用者に通知するとは限らないよ。
攻撃者に検知されたことを悟らせないため、内部で制限や監視だけ行う場合もある。
むしろ、通知しないこと自体は珍しくない。

ただし利用者目線では、
「勝手に有名人に書き換えられている時点で先に教えて下さい」
である。

<strong>母雀</strong>
母雀

いやいやいや。
攻撃者に悟らせないのは分かるけど、実際に被害が出たらどうするのよ…。

迷っている時間はない。
案内に従い、アカウントの閉鎖手続きを進めた。

被害が出る前に、食い止められてよかった。
そう思った矢先、「閉鎖できませんでした」というメールが届く。
なんで……?

自分が注文した商品は、既に届いていて、クレジットカード決済も通過している。
月毎に届く「定期お特便」の登録も停止した。
kindle などの付帯サービスの停止も、抜かりはないはず…。

再びカスタマーサービスに問い合わせたところ、
「他にご登録があるようです」と。
オペレーター側には、システム上、それ以上のことは分からないらしい。
「テクニカルサポートの方に確認してみて下さい」と言われ、連絡先を教えてもらった。
システム上の不具合とは、思えないのだが……。

Amazonで、店主になる

ハッカーにより、知らぬ間にAmazonの出品者登録をされ、有名企業になりすまし登録される図

ふと、我に返った。
蘇る記憶――。

かつて、Amazon のマーケットプレイス(第三者からの出品)で詐欺にあい、商品が届かなかったことがあった。
出品者の問い合わせ先には、住所と連絡先が記載されており、連絡してみたところ、出てきたのはご高齢のおばあちゃん。
「なんだい…知らないよ…」
それ以降は、留守録になり返答がない。
不審に思い、住所を Google マップで検索してみたら、実在する個人の会社の様だ。
時間を変えて連絡をとると、やっと従業員の様な人がでてきた。

<strong>店員</strong>
店員

あぁ…、またですか。
実は、以前も Amazon で勝手に連絡先を使われて、
警察に被害届を出したんですよ。
でも、定期的に使われるんです……。

彼らもまた、別の被害者だった。
「Amazonマーケットプレイス保証」に則り、事情を説明して Amazon 経由で返金してもらった経緯がある。

まさか…!!!

「テクニカルサポート」は、パソコンやネット上の不具合対応窓口ではなく、出品者・事業者専用のサポート窓口だったのだ。
確認してもらったところ、この Amazonアカウントには、購入者としての登録だけでなく、出品者側として2つのビジネスアカウントが紐づいていたらしい。

  • Amazon 出品用アカウント(Amazon Seller Central)
  • 海外マーケットプレイス(グローバルセリング/北米など)出品アカウント

途端に血の気が引いていった。
購入者アカウントの裏側で、知らないうちに「売る側」の登録まで進んでいたとは思いもしなかった。
ビジネスアカウントは、購入者用アカウントとは別組織とは言え、連絡先は同一ではないのか。
攻撃者にメールの操作が可能ならば、愚問である。

幸い、実際の販売には至っていなかった。
金銭的な被害も確認されなかった。

だが、登録内容を見て、別の意味で生きた心地がしなかった。

出品者名には、体重計で有名な某企業「タ〇タ」の名前が使われていた。
至急アカウントは削除してもらったが、再び連絡先を使われないという保証はない。

購入者だけが被害者とは限らないのだ。


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