【実証データ】認証揺らぎはどこまで見える? Get-Tpmとdsregcmdで追った端末側の回復

dsregcmd /status でNO祭りを食らってる時の絶望感をイメージした図 PCトラブル

本記事は、Microsoft認証トラブルを追った三部作の最終編です。
前編で起きた認証混線の経緯 & 復旧、中編「AI大法廷」で整理した原因 & 仮説を踏まえ、
今回は Get-Tpm & dsregcmd /status の実ログから、端末側で何が変わったのかを検証します。

Get-Tpmログで暴く「TPMクリアと再起動」の覚醒メカニズム

🦁(Brave)の認証事故をきっかけに、我が家では2台のPCが連鎖反応のように認証不調へ入り、
最終的には初期化まで行うことになりました。

アカウントを入れ直し、資格情報を削除し、TPMをクリアし、Windows Hello を再構築。
見た目上は Windows も正常に動き、OneDrive や Store の購入履歴も異常なし。

それでも、dsregcmd /status を叩くと「NO祭り」は終わらない――。
一方で Get-Tpm を見ると、TPM内部の状態は明確に変化していました。

三部作の最後となる今回は、
「TPMが正常化しても、なぜクラウド側の認証揺らぎは残ることがあるのか」
を、実際に取得したログから追っていきます。

認証トラブル時に TPM や Hello を何度も触り直すと、復旧操作そのものが新しい認証不整合を生むことがあるため、踏みやすい💣地雷ポイントも置いておきます。

dsregcmd /status が「NO祭り」から動かない理由と、裏読みの指標

アカウントを削除し、資格情報を消し、何度もサインインし直しては叩いたコマンド。
それが dsregcmd /status でした。

<strong>母雀PC</strong>
母雀PC

クラウド様、本日もよろしくお願いしま──

<strong>クラウド課長</strong>
クラウド課長

……その端末、存じません。
お引き取りを。

<strong>母雀</strong>
母雀

えっ!?
アカウント入れ直したよ!?
クリーンインストールもやったよね?

なんで数字が1ミリも動かないの……!?

しかし、画面に表示されるのは何度やっても変わらない「No祭り」だけ。

<strong>母雀PC</strong>
母雀PC

ほぼ全部NOじゃん!!
クラウド様、私のこと嫌いになったの!?!?

ちゃんと、動くもん……。

dsregcmd /status は本来、
Entra ID(旧Azure AD) のデバイス登録や、SSO 状態を確認する為の組織向けのコマンド。

個人PC でも一部の項目は参考になりますが、
表示された NO をそのまま「個人MSA の異常」と読むことはできません。
むしろ個人MSA では多くの項目が NO になるのが正常ですが、裏読みには使える指標だと思います。
特に NgcSet(Helloキーが構成されているか) は個人でも意味が一致します。

ただ──
事件解決後の母雀PCでは、Hello 認証は絶好調なのに、ここは NO のまま。

物理故障を修理し、認証キャッシュ&TPMクリアまで実施済み。
OneDrive も Store の購入履歴も正常なのに、
dsregcmd /status の「NO祭り」は変わりません。

Hello 自体はローカルで完結するので実害はなし。
ただし、クラウド側で整合性がとれる前提条件が揃っていないため、
結果として「NO」となっていると考えられます。

クラウド側が「このPCは怪しい」と判断している状態なら、認証がふらっと揺らぐのも道理。
この「NgcSet = NO」は、
認証揺らぎを可視化するひとつの手がかりではないでしょうか。

残念ながら、クラウド側の不整合はユーザーでは触れない領域です。
ユーザーができるのは 端末側の前提条件を整えることだけ。
その指標の1つが Get-Tpm です。

Get‑Tpm は
「TPM(物理セキュリティチップ)が鍵を受け取れるかどうか」を見るコマンド。

<strong>TPM君</strong>
TPM君

TpmReady : False です(半ボケ)。
現在、鍵の受け取り拒否してます。

「TPMクリア直後」の他、
認証揺らぎでも、裏の物理チップが TpmReady : False になることがあります。

TPM が鍵束を手放す方法は限られていて、
OS上でどうあがこうと(プロファイル削除・クリーンインストール等)、
部分的に参照を失わせるだけで、完全消去にはなりません
。

正しい「TPMクリア」により、端末側の前提条件が初めて整います。

【動かぬ物証】PowerShell(Get-Tpm)が捉えた「TpmReady : False」からの完全覚醒

TPMクリア直後の再起動の必要性

「TPMクリア → 再起動(PC再起動による、OS起動)」
によって、どう変わったかをご覧ください。

弟雀PCで実際に取得した Get-Tpm の生ログです。
Clear-Tpm を叩いた直後と、再起動後(+ Hellow PIN生成)の差分がこちら。

PS C:\Users\*****> Clear-Tpm

TpmPresent : True
TpmReady : False
TpmEnabled : True
TpmActivated : True
TpmOwned : False
RestartPending : True
ManufacturerId : 1095582720
PpiVersion : 1.3
ManufacturerIdTxt : AMD
ManufacturerVersion : 3.87.0.5
ManufacturerVersionFull20 : 3.87.0.5
ManagedAuthLevel : Full
OwnerAuth :   (空欄)
OwnerClearDisabled : False
AutoProvisioning : Enabled
LockedOut : False
LockoutHealTime : 16 minutes 40 seconds
LockoutCount : 0
LockoutMax : 3
SelfTest : {}

PS C:\Users\*****> Get-Tpm

TpmPresent : True
TpmReady : True
TpmEnabled : True
TpmActivated : True
TpmOwned : True
RestartPending : True
ManufacturerId : 1095582720
PpiVersion : 1.3
ManufacturerIdTxt : AMD
ManufacturerVersion : 3.87.0.5
ManufacturerVersionFull20 : 3.87.0.5
ManagedAuthLevel : Full
OwnerAuth :   (空欄)
OwnerClearDisabled : False
AutoProvisioning : Enabled
LockedOut : False
LockoutHealTime : 2 hours
LockoutCount : 0
LockoutMax : 32
SelfTest : {}

ターミナル(管理者)または「PowerShell」で、直接 Clear-Tpm コマンドを叩いた直後は、
TpmReady : False(鍵を叩き壊しただけの状態)です。
TPMクリア(Clear-Tpm)直後に「PCの再起動」を挟んで OS を起動させ、
受け入れ準備完了状態(TpmReady と TpmOwned を True) に覚醒させなければいけません。

<strong>母雀</strong>
母雀

TPMクリア直後の半ボケ状態で、
Hello・資格情報・アカウント再登録を重ねると、
認証揺らぎに直結すると思った方がいいわよ。
少なくとも我が家の PC は、
Store 系とか今までに被害がなかったところまで
揺らぎ始めたから。

【ログの差分比較と💣 地雷ポイント】

  • TpmReady : False → True
    TPMクリア直後は False なので、まだ鍵を受け入れる準備が整っていない証
  • TpmOwned : False → True
    自動プロビジョニングで後から True になることがあるので、少し様子見
    💣 TpmReady と TpmOwned が両方とも True なら、TPMの再構築はひとまず完了
    片方が False のままの場合は 1~2 回だけ再起動して再確認し、それでも変わらなければポリシーやBIOS/UEFI など、別の原因を切り分けます
  • AutoProvisioning : Enabled のまま
    💣 Enabled にならない場合も、組織ポリシーの名残の可能性があります
    ※今回の検証機は 元学校PC ですが、Enabled でした
  • LockoutHealTime : 16分40秒 → 2時間
    通常の2時間のインターバルに移行
    現在の待ち時間を示すものではありません
    TCG の TPM 2.0 リファレンス実装における初期デフォルト値(1000秒 / 3回)と一致しており、TPMクリア直後の初期状態が一時的に露出したものと考えられます
  • LockoutMax : 3 → 32
    通常モードに移行
    クリア直後の数値は、 LockedOut = False / LockoutCount = 0 なので、
    完全ロックではない
  • RestartPending : True
    機種次第。本機では平時からTrueなので、この値だけで再起動ループに入るのは地雷💣

💣元組織PC や 中古PC では、昔の管理ポリシーが残っていることもあります。
原因切り分けまではOKとして、レジストリやBIOSを触り始めたら、そこから先は別記事級の沼です。
復旧操作を重ねるほど認証状態がさらに揺らぐこともある為、途中で次の操作を足すより、まず一連の手順を完遂し、時間経過による反映も含めて評価した方が安全です。

TPMクリアの3つの方法と注意点(tpm.msc / PowerShell / BIOS)

TPMクリアには実は 3種類あって、踏みやすい地雷も違います。

① 一番安全な、GUI(ローカルコンピューター上のTPM管理)からのクリア —

「Win + R」押下後、「tpm.msc」と入力。
「ローカルコンピューター上のTPM管理」が開くので、そこから「TPMをクリア」をクリックする方法です。

  • Windows 標準の管理ツール
  • TPMクリア後は OS の再起動が必ず要求される(画面に案内が出る)
  • TPMReady / TpmOwned が True になる

💣地雷:ほぼ無し。おすすめの方法です!

つまり今回の結果は、
端末側を正常な状態まで戻せば、実害は解消できる。
しかし、複数の Microsoft アカウントを含む認証状態が、同時に安定するとは限らない。
その状態と、dsregcmd /status の「NO祭り」が妙に噛み合って見えるのも事実です。

② PowerShell(ターミナル)での「Clear‑Tpm」コマンド

母雀が最初に踏んだ地雷。
AIに聞くと、直接このコマンドだけを単独で提示してくることがあります。

  • PowerShell で clear-tpm を実行
  • 自力で再起動するまでは、TPMReady / TpmOwned が False のままになる

💣地雷:自力での再起動を忘れがち / コマンド実行後の不安定な状態のまま、他の認証作業が可能

「認証系の再構築」はまとめて作業したくなるので、
TPMクリア後に「資格情報の削除」や「Hello の再設定」をやってから再起動しがちですが、
こちらは全AI達が一致して非推奨ルート。
バックグラウンドで稼働中のシステムがリトライを繰り返し、さらに不安定さが増すのだとか。

受け入れ状態が整う前に次へ進むとどうなるのか。
本編にも書きましたが、母雀の実機では、そのまま PC 全体の認証崩壊にまで発展しました。
TPMクリア直後の再起動は必須と言えます。

③ BIOS/UEFI からの「TPMクリア」

2度目に踏んだ地雷。
メーカー実装の「物理クリア」です。

  • マザーボード側の TPM初期化
  • TPMの物理初期化

💣地雷:BIOSを閉じた後に自動再起動(OSの再起動)するかどうかは、メーカー次第

「BIOSの終了」は、画面が暗転して再起動っぽく見えますが、「OSの再起動」とは限りません。
母雀が踏んだ地雷は正にここで、そのまま「クリーンインストール」に進んで失敗。
同様に、BIOSを閉じて直に PC に「サインイン」してしまえば、その時点で Pin の作成(Windows Hello の作成)が要求されます。
つまり受け入れが整っていない状態での Hello 構築になって、アウトな訳です。

正しい「TPMクリア」の手順とは?

正しくTPMをクリアする様子をデフォルメした図

TPMクリアの最重要ポイントをまとめると――

  • TPMクリア直後に、PC の再起動を行って、受け入れ準備を整える必要がある
  • TPMクリアは、認証キャッシュ&資格情報の削除 とセットで行う

この2点に尽きると思います。

💣やりがちな「TPMクリア + Hello 再構築」だけでは、
👻(古い資格情報や認証の残骸)を残したまま、新しい認証状態を組み上げてしまうため、
後から再び認証が揺らぐ余地が残ります。

不要な資格情報を整理する為に行うのが、認証キャッシュ&資格情報の削除です。

過去の資格情報との決別を、目視で確認する方法

認証キャッシュクリア → 資格情報クリア → TPMクリア → 再起動 → Hello 認証

TPMクリアは、ここまでを一連の流れで行って初めて意味を成します。

認証キャッシュ&資格情報のクリア方法については、本編で書いたのでここでは割愛しますが、
(具体的な削除手順はこちら)

  • OneAuth・IdentityCache・TokenBroker 📁フォルダのリネームによる封印
  • TokenBroker\Accounts 📁フォルダ内のリセット

上記の認証キャッシュをクリアしたら、
Edgeを開いて右上の人物アイコンから「新しいプロファイルを追加」を開いてみてください。
👻候補が消えていれば成功です!

なお、この時点ではサインインせず、候補が消えたことだけ確認して、資格情報を削除します。
必要な Microsoft アカウントの再認証は、一連の全工程が完了してから行って下さい。

💣「使用中」と表示されてリネームできなかった場合は、無理に継続しなくて構いません。
そのままTPMクリアまで進み、再起動後、Microsoft 系アプリを開く前に、
リネームできなかった📁フォルダーの封印をもう一度試してください。

<strong>母雀</strong>
母雀

でも…
TPMクリア後に認証キャッシュクリアをしても結果が同じなら、
順番なんてこだわらずに、いつやってもいいんじゃないの?

認証キャッシュ & 資格情報のクリアは、TPMクリアの前後どちらがいい?

なぜ「もう一度リトライ(2回目のお掃除)」が有効なのでしょうか。
ざっくり表現すると――

1回目(TPMクリア前):
システムが稼働中なので、バックグラウンドのサービスがキャッシュファイルを握りしめていて、
「使用中エラー」になったり、消し残しやバグが発生しやすい。
ただし、Microsoft 公式ではこちらを推奨。
理由は、TPMクリア後に古い資格情報が残っていると、Windows が古いトークンを使おうとして
新しい TPM鍵と整合しない可能性があり、ログイン時にエラーが出る可能性があるから。

TPMクリア + 再起動 + Hello(PIN)登録:
ハードウェアの鍵がリセットされ、全認証セッションが切断(気絶)。
古い鍵束との参照を断ち切り、新しい鍵で OS と再リンク。

2回目(再起動直後):
誰もファイルを握っていない無風状態になるため、
1回目で生き残ったしぶといゾンビファイルも、今度はワンクリックで完全にゴミ箱へ叩き込める。
……最初から、こちらの再起動直後一択でもいいんじゃないか説もある。

新品登録
跡形もなく除霊された世界で、Hello(PIN)を、再登録(必須じゃないけど、整合性はとれる)。

Get-Tpmの読み違いで認証沼へ?|RestartPendingとLockoutHealTimeの注意点

新基準のTPM君と旧TPM君の違いを比較した図

再起動直後の Hello(PIN)の再構築を「キャンセル」すると、どうなるか?

Win10 の時代は、
「TPMクリア → 再起動 → Hello 生成のキャンセル」が許されていました。
古い鍵の参照が残る可能性があるため、できれば以前のように
「TPMクリア → 再起動 → 認証キャッシュ & 資格情報のクリア → Hello 再構築」
を試したいところ。
でもWin11 では、💣再起動直後の Hello(PIN設定)で「キャンセル」すると、
クラウド側との不整合が起きやすいようです。

TPMクリア → 再起動 → 認証キャッシュ & 資格情報のクリア → ×
ここまでは問題なく行けるのですが、Hello 再構築で認証エラーが発生(2回検証)。
「Microsoft パスワードマネージャーにアクセスできません」
となり、数十分待機したものの解消できず、そのまま6時間ほど放置したら通りました。

<strong>母雀PC</strong>
母雀PC

TPM関連の検証のために、3日で10回もTPMクリアを試したわ。
……クラウド様に嫌われてそう。
今日もまた、No 祭りだったし、
このままずっと、振り向いてもらえないのかな?

<strong>クラウド課長</strong>
クラウド課長

あのお方は気難しいですから。
可能性は……ありますね。

母雀PCで、TPMクリア直後の Hello(Pin)生成を「キャンセル」した時の生ログはこちらです。

TpmPresent : True
TpmReady : True
TpmEnabled : True
TpmActivated : True
TpmOwned : True
RestartPending : True
ManufacturerId : 1095582720
PpiVersion : 1.3
ManufacturerIdTxt : AMD
ManufacturerVersion : 6.22.0.7
ManufacturerVersionFull20 : 6.22.0.7
ManagedAuthLevel : Full
OwnerAuth : [非公開]
OwnerClearDisabled : False
AutoProvisioning : Enabled
LockedOut : False
LockoutHealTime : 10 minutes
LockoutCount : 0
LockoutMax : 31
SelfTest : {}

※検証機:Victus 16-s / Ryzen 7840HS
OS:Win11 Home / BIOS F.32
環境にて計測 (2026/8)

【通常時】

  • RestartPending : True
    — 本機では平常時から継続して True
  • OwnerAuth : [空欄]
  • LockoutHealTime : 2 hours
  • LockoutCount : 0
  • LockoutMax : 32

【Helloキャンセル直後】

  • RestartPending : True
    —★OS が再起動待ち?
  • OwnerAuth : [*********]
    — セキュリティ上の保護処理が未完了の為、露出
  • LockoutHealTime : 10 minutes
    — ★ダウンタイムが10分?
  • LockoutCount : 0
    — 完全ロック状態ではない
  • LockoutMax : 31
    — 1カウント分減っている?!

平常時との差分で分かることは、
RestartPending = True は、本機では平常時から継続して確認されているため、
この値だけを見て💣再起動沼に陥るのは地雷です。
Dellでも、TPMクリア後に RestartPending = True が残り続ける事例が公式に確認されています。
少なくともこの値は、機種やBIOS実装の影響を受ける場合があるようです。

また、LockoutHealTime = 10 minutes となっていましたが、
実際には 10分以上待っても、 Hello の再生成が通りませんでした。

LockoutMax = 31 についても、
再試行のたびに30、29と減少したわけではなく、なぜか毎回 31。
LockoutCount = 0 なので、Hello再構築中だけ一時的な待機状態へ入っていたようにも見えます。

<strong>母雀</strong>
母雀

でも…ちょっと待って。
Microsoft 公式は 32回 / 間隔10分 って書いてあるわよ!

母雀PC(平常時)は 32回 / 間隔2時間 なんだけど?!
つい先日マザボを交換して、BIOS も更新したはずなのに、
レガシー設定(TCG 準拠)の方が適用されてる?!

でも、Dell の2026年5月更新資料は、32回 / 2時間 のまま。

Microsoft 公式:約5時間20分。
Dell & 我が家の実機:約64時間。

……差がデカすぎるでしょwww

こういう時はもう、
一般論より目の前の PC が返した Get-Tpm を信じるしかないわ。
少なくとも我が家の PC では、
エラー時のみ
LockoutHealTime : 10 minutes
平常時は
LockoutHealTime : 2 hours
が実装されています。

PW総当たり防止機能だから、長い方が安全かもだけど……。
エラー時には短いって、なんか矛盾してない?!

ここから導き出せる仮定は――
LockoutHealTime : 10 minutes の表示は、
Hello と TPMの鍵情報のリンク構築中に、Windows 11の現行実装値が、一瞬だけチラ見えした可能性が高いということです。

今回の検証結果として、
TPMクリア後にHello作成をキャンセルし、その後で資格情報を削除して再生成する手順は、
安定した復旧手順とは言えないと判断して良いと思います。

TPMロックアウトの回復:公式10分と実機2時間の食い違いは、なぜ起きる?

<strong>母雀</strong>
母雀

待機時間って、どのくらい待てばいいの?

<strong>Copilot君</strong>
Copilot君

ネット上で「認証エラーが出た時に待機を促す時間」として多く見かけるのは、
① 10分 〜 15分
② 1 時間 〜 2 時間
③ 24 時間 〜 72 時間
だな。

認証揺らぎにおいて「様子を見る」というのは、何もしないという意味ではなく、
通常利用はOK。
追加で認証状態を書き換える操作を控える時間
だ。

アカウントの更新やPW変更だけでなく、
強制シャットダウンや、サインインの連続失敗・Windows アップデート・BIOS の更新等、身近な作業でもけっこう揺らぐので、待機中はご法度だよ。

当ブログでは、軽傷2時間、中症6時間、重症72時間待機をおススメしています。
72時間以上様子を見て、それでも揺らぎが解消しなければ、TPMクリアの使用が視野に入るという位置づけです。

2時間は、ネット記事の一般論と、TPM 2.0 の通常値(2時間)を踏まえた目安。

6時間の根拠はこちら。

  • TPM 2.0 の回復時間を考慮。今回のログから考察すると、
    LockoutHealTime の時間は、機種ごとに新旧の固定値がある(検証機は2時間で固定)
    TCGレガシー準拠(旧仕様)なら
    2時間 × 3回(警戒モード中は、完全ロックアウトまでの失敗許容回数が3) を回収
    固定値以外は、プロビジョニング中過渡期の、暫定値と推察(危険時に減るのはおかしい)
    (Hello キャンセル時の 10分の表記も、Clear-Tpm 直後の 16分40秒 も、かりそめ値)
  • Microsoft 公式(新仕様)なら、
    10分 / 32回 → 約5時間20分 を全回収
  • 実機の Hello再生成エラー
    → 数十分では直らず、約6時間後に通った(自然回復)
<strong>TPM君</strong>
TPM君

72時間待機は、俺の防衛システム + 整合性チェック等まで考慮した長めの目安。
※レガシー準拠で、
LockoutMax : 32 × 2時間 + 内部の整合性チェックなどに数分~数時間:+α
ただし LockedOut : False なら、64時間 + α の待機は不要だよ。

俺、ナイーブだからね。
立て続けで認証登録をされると、不安定になってクラウド側と同期がズレることがあるんだ。
だから、少し時間を置いてから認証系の再登録をしてくれると助かるよ。

それと、公式の俺のトリセツ(TPM 2.0仕様)には、
完全電源OFFや休止状態では、回復処理を進めなくてもよいって書かれている。
だから待機するなら、電源ONかスリープ推奨!

でも──TPM クリアした場合は例外ね。
あれは俺の記憶を全部消す行為だから、すぐに鍵をかけ直してくれないとクラウド側が迷子になる。

<strong>クラウド課長</strong>
クラウド課長

Store や Xbox の購入履歴・OneDrive 同期エラーを抱えている様でしたら、
24~72時間(台帳側の調査期間)は頂きたいですね。

パスワード変更・セキュリティ情報更新・アカウント復旧の反映まで、最大24時間。
Store の返金処理などは、最大72時間かかる場合があると明記してございますので。
ただ、OneDrive に関しては非公開です。

結論:実害は消えた。でも「認証揺らぎ」までは消えていない

TPMクリアのコンボ実施後、Store、Xbox、OneDrive はすべて正常化し、PIN や Windows Hello も問題なく使えるようになりました。

少なくとも、普段PCを使う上で、困っていた実害は解消しています。

Get-Tpmでも、
TpmReady : False  → True
TpmOwned : False → True
へ変化し、端末側の TPM が再び利用可能な状態まで整ったことは、ログでも確認できます。

ただ、認証まわりが完全に無風になったわけではありません。

メインの Microsoftアカウント(MSA) はかなり安定した一方、ゲーム専用サブアカウントでは、
今でもふらっと人物アイコンが消えることがあります。

時限爆弾💣のタイマー音が、かすかに聞こえてくるかのようです。

最後に:クラウド様のご機嫌と、端末側の限界——そして自立へ

今回の一連のトラブルで、
どこで問題が発火し、どこが致命傷になりやすいのかが、ようやく見えてきました。

今回地雷を踏んだ「OneNote」は、別格に危険枠。
通常のノートブック保存先や、バックアップ先は変更できます。
ところが、クイックノートの保存先だけはユーザー側で変更できません。
複数の Microsoft アカウントが入っている環境では、ここが WAM の認証状態と噛み合って、
意図しないアカウントへ同期される余地があります。

我が家でも実際にアカウント混線が発生し、認証崩壊を招きました。
Microsoft 365 Personalを家族間の複数アカウントで使い回すような運用が、
認証揺らぎの可能性を多分に秘めていることを、身をもって勉強しました。

認証揺らぎはアプリ単独の不具合では済まずに、PC 全体に波及するのが怖いところ。
OneDrive や、Store(購入履歴)、Edge同期、Outlook など──ダメージは深刻です。
一度クラウド様のご機嫌を損なうと、ユーザーは回復を祈ることしかできません。

我が家では、マザーボードを修理交換し、SSDも初期化、Windowsを初期化したうえで、
新しい Microsoft アカウントから再出発しました。
それでも1か月も経たないうちに、認証状態は再び不安定に……。

端末もアカウントも新しくすれば必ず安定する、というほど単純ではありませんでした。
タイミングがかみ合わないと、認証揺らぎを引きずる可能性もあるのです。

振り向いてくれないクラウド様へ、
いつまでもラブコールを送り続ける必要はないのかもしれません。
端末側でできることをやり切ったら、次は自立の準備です。

●関連リンク●
第一章:Microsoft 365 を買って3時間でPCがあの世へ逝きかけた話|認証混線事件簿 (本編)
第二章:認証の運命を裁く大法廷:TPM被告が語る真実の記録

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