犬がチョコを食べてしまった時の判断基準――症状・受診の目安

犬が中毒を引き起こす食べ物を食べた為、獣医師雀が診察する図 犬

犬がチョコを食べたら、症状が出るまで待たない

チョコを食べたことが明らかなら、「今は元気だから」と症状が出るまで待つ必要はない。

犬では、チョコに含まれるテオブロミンが体から抜けるまで時間がかかる。しかも中毒症状は、食べてすぐではなく数時間たってから現れることがある。

まだ症状がなく、食べてから時間が浅ければ、病院で吐かせて吸収される量を減らせる可能性がある。逆に、苦しみ始めてからでは、すでに吸収が進み、吐かせる意味が薄くなってしまう。

食べたことが分かっているなら、早い方がいい。
ここは「症状が出たら受診」ではなく、症状が出る前に動く意味がある。

高カカオだけじゃない。純ココアもかなり濃い

高カカオチョコや製菓用チョコは、テオブロミン濃度が高い。
さらに見落としたくないのが、純ココア・ココアパウダー。

手持ちの資料では、ココアパウダーはテオブロミンを1〜3%含むとされている。
5kg程度の犬なら、純ココアを数gまとまって舐めただけでも無視できない。

ココアを作る時に少し粉が飛んで、それを舌先でひと舐めした程度なら、すぐ中毒になるとは限らないが、床にこぼした純ココアをベロベロ舐めていた、どのくらい食べたか分からないという場合は、元気でも念のため受診しよう。

量を正確に計算できない状態で、飼い主さん側が「様子見」に賭ける必要はない。

コーヒーやお茶は?

コーヒーやお茶では、主にカフェインが問題になる。

飲み物を少し舐めた程度と、コーヒー豆や茶葉をまとまって食べた場合では摂取量がまったく違う。豆や茶葉を食べたことが分かっているなら、症状待ちはせず受診しよう。

受診の目安・応急措置

テオブロミンやカフェイン中毒に、特効薬はない。
嘔吐、震え、異常な興奮、呼吸が荒くなる、よだれが増えるなどがみられ、重症化すると、けいれんや重い不整脈を起こし、死に至ることがある。

病院での処置も、毒を出す・症状を抑えるという対症療法がメインだ。
まだ消化前なら、薬による催吐や活性炭などで体内に入る量を減らし、症状が出ていれば、その症状を抑える治療を行う。
意識状態や誤嚥の危険、飲み込んだ物の種類を確認しながら処置し、症状によっては入院管理となる。

母雀
母雀

母雀
チョコチップクッキーを食べちゃったのよ。
でも、いつ食べたかも分からないし、欠片が床に落ちてただけなのよね。
だから、そもそも食べてないかもしれないし……。
元気なら水を飲ませて様子見でもいい?

父雀
父雀

父雀
水や牛乳を飲ませても、摂取したテオブロミンそのものが減るわけではない。
今症状がなくても、
消化される前なら、病院で吐かせて摂取量を減らせる可能性がある。

犬は食べ物の匂いがすれば、包みごと飲み込むこともある。
包み紙が胃腸に残れば、異物誤食として腸閉塞まで見る必要がある。
可能性があるなら、念のため受診でいい。

ネットには「塩やオキシドールで吐かせる」という情報もあるが、誤嚥や別の障害を引き起こす可能性があるため、自宅での無理な催吐はかえって危険。私は否定的だ。


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