猫にねぎが危険な理由(溶血性貧血の仕組み)

猫がネギを食べてしまい、獣医師雀が診察する図 猫
母雀
母雀

うちの子は、猫まんまが大好きなの。
大体は取り除いたんだけど、ちょっと小ねぎ(乾燥ネギ)が混ざったのよね。
少量だし、様子見でいいかな?

父雀
父雀

ちょっと混じっただけでも、乾燥ネギは濃い。
猫はとくにネギ類に弱いし、煮汁にも成分は出ている。
少量だからといって、安全とは言えない。
食べたことが分かっていて、まだ時間が浅いなら、症状待ちはせず受診でいい。

ネギ中毒には特効薬がない。
だからこそ、早い段階なら薬で吐かせて、吸収量を減らす意味がある。
食べた量が分からない場合も、「様子見」に賭ける必要はない。

ただし、自宅で無理に吐かせるのは、誤嚥や別の障害を引き起こす可能性があるため、私なら勧めないよ。

ネギ中毒は、あとから悪くなる

たまねぎ、長ネギ、ニラ、にんにくなどのネギ類は、猫の赤血球を傷つけ、溶血性貧血を引き起こす恐れがある。
しかも、ネギ中毒による溶血性貧血は一過性で終わるとは限らない。
数日かけて進むことがある。

理由:赤血球を破壊する成分

ネギ中毒は、即効性のある毒ではない。

  • 食べた直後 → 元気
  • 1〜3日後 → 元気がない、食欲が落ちる、動きたがらない
  • 3〜5日後 → 呼吸が速い、歯ぐきが白い、尿が赤〜茶色っぽい、黄疸

昨日まで元気だったのに、急に悪くなったように見える。
これがネギ中毒の怖さ。

軽ければ骨髄が新しい赤血球を作って回復していくが、重いと酸素不足が続いて、輸血が必要になることもある。

よくある勘違い

加熱してあっても、毒性は消えない。
刺身の上の小葱や、定番の猫まんまにした味噌汁も、ネギをよけて与えたからといってセーフではない。
ネギそのものを食べていなくても、汁にも成分は染み出ている。
人間の食べ物を「お裾分け」する習慣自体を控えるのが、最も無難な選択だ。

ネギ中毒では、赤血球へのダメージが進んでから症状が目立つことがある。
経過を見るなら、単に「吐かなかった」「食欲がある」だけでは足りない。
特に呼吸が速い、歯ぐきが白い、赤茶色の尿が出るといった変化は、貧血や溶血が進んでいる可能性を考えるサインになる。

母雀
母雀

うちの子はぶっかけご飯、よく食べるのよ。
もう慣れて、耐性が付いたんじゃないかしら?
雑種だから、丈夫そうだし…。

父雀
父雀

ネギ中毒は、体重や体調、それに体質による個体差で反応が変わる。

でも、「今まで大丈夫だった」は、判断材料にならない。
たまたま症状がでなかっただけということも、普通にある。
軽い溶血が起きていても気づかずに、症状が出た頃には貧血が進んでいることもある。

もちろん、雑種だから丈夫って話でもない。
最悪は命に関わる中毒だ。
慣れたから大丈夫は通用しないぞ。


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